Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

カーボンリサイクル(6)

カーボンリサイクル技術の中身についてです。

 

大きく4つの領域(日本政府が示している技術領域)。

①化学品;ウレタンやプラスチックの一種でCDなどにも使われるポリカーボネートといった「含酸素化合物(酸素原子を含む化合物)」への利用
②燃料;光合成をおこなう小さな生き物「微細藻類」を使ったバイオ燃料や、CO2由来やバイオマス由来のバイオ燃料。ほかにガス燃料も。
③鉱物;「コンクリート製品」や「コンクリート構造物」への利用。具体的にはコンクリート製品などを製造する際に、その内部にCO₂を吸収させるもの。
④その他;バイオマス燃料とCCSを組み合わせる「BECCS」や海の海藻や海草がCO₂を取り入れることで海域にCO₂が貯留する「ブルーカーボン」など。

 

前回は①の化学品について調べました。
今回は、③の鉱物についてです。鉱物というとよくわからないのですが、コンクリート、セメントのはなしです。

 

 

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www.nedo.go.jp

 

セメント工場内にCO2分離・回収実証設備を設置して、セメントキルン(セメントキルンセメント原料を焼成してクリンカを製造する窯のこと。ロータリーキルンともいう。)排ガス中から1日当たり10トンのCO2を分離・回収する実証試験を実施します。この規模でセメント工場においてCO2を分離・回収する実証試験は、国内で初めてです。また分離・回収したCO2を廃コンクリート生コンクリートスラッジ(生コンクリートスラッジ建設現場で使用されずに残ったコンクリートやコンクリートの処理排水に含まれる固形物。)を用いて炭酸塩(炭酸塩炭酸イオン(CO32-)をふくむ化合物)として固定化し、セメント原料(石灰石代替)や道路舗装用の路盤材などの土木資材として再資源化する要素技術などを開発。

 セメント工場のCO2を再資源化(カーボンリサイクル)する技術開発に ...

セメント工場から出てくる廃材にCO2を吸収させて、建築資材として再利用する、という話のようです。

 

まだ、研究段階のようですが、実現性は高いように思えます。ただ、建築資材となると低コストが前提となるので、そこがネックかと思います。ただ、セメントやコンクリートなどは世界的に見れば使用量が半端ないものであるのでCO2削減インパクトは大きいと考えるべきかと。

 

カーボンリサイクル(6)(終わり)