環境規制について調べています。
主にEUで電子機器に適用されるROHS指令について記しました。
で、同じEU域で出されているREACH規制についても整理して記したいと思います。
REACH( Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of CHemicals 「化学物質の登録、評価、認可、及び、制限」)は、EU(欧州連合)が制定した人の健康や環境の保護のために化学物質を管理する欧州議会及び欧州理事会規則。また、EU市場内での物質の自由な流通により、競争力と技術革新を強化することも目的にしている。2007年6月1日施行。
ROHS指令は電機電子機器に含まれる10物質を規定以上の濃度で含有することを禁止ているのに対し、REACH規制では含有物質の総量を管理すること、そしてその結果の届出を要求しています。禁止じゃないからまだましか、とも思えるのですが「使用量が多く有害性が懸念される化学物質、SVHC:Substances of Very High Concerns」は、現在、209物質であり(2020.6現在)、今後さらに拡大が予想されています(候補物質はなんと約1500物質)。
また、その対象は、既存・新規を問わずEU域内で1トン/年以上の化学品を販売するには、一部例外を除き、欧州化学品庁(ECHA)への「登録」が必要、ということですから電子機器だけでなく自動車などすべてが対象ということになります。
ちなみに最近追加されたSVHCは以下となります。
ほぼ、溶剤用途で使われているものがターゲットとされています。
メタノール、シロキサン、ピロリドン・・・
ピロリドン、電池製造の現場で溶剤としてよく使われているもの。製品混入が許されなくなってますね。
また、最後のジイソシアネートはウレタン樹脂の原料ですね(このイソシアネートとジオールを反応させるとウレタン樹脂ができます)。未反応の原料はある程度、残ると思うのですがその残存量を測定しなければならない。
このREACH規則、企業にその実績を報告させながら、今後、禁止すべき規制物資を決めてゆく流れだと思います。将来的には、使える化学物質がより限られてくることになります。
これからの商品開発、針の孔を通すような規制回避が求められてくるように思えます。
そしてアメリカで民主党政権が発足して、その動きは加速すると考えられます。
環境規制動向(3)(終わり)