産学官の共同研究、
企業と大学、それと国(または県とか)の3者が関わる共同研究のことについてです。
以前、自分が経験したプロジェクトにJSTの委託開発というものがあります。
これは、まさに産学官の共同研究です。
自分が所属する企業、それと一緒に研究をやってきた大学、その成果を元にJST(科学技術振興機構)の委託開発に応募して、無事採択。
それで、この3者のプロジェクト(4年間)が始まりました。
プロジェクトの主体は会社です。当時の責任者は自分。
産業界(企業)、学校(大学)、官公庁(JST)の3者でやるメリットは結局、何だったかのか、デメリットは何だったのか、ということですが、
結局、メリットは、コトを進める、前進させることができる、ということに尽きるかと。プロジェクトの開始時点でスケジュールやマイルストーンが決められているので、それに対しての進捗度を明らかにしなければなりません。当たり前の話なのですが、
社内外に説明するというのは、意外と大変です。でも、これをやってゆくことで着実に研究成果は出てくるようです。
一方、デメリットですが、簡単にやめられない、方向修正が難しい、また、顧客に対する説明で苦労する、といったところでしょうか。あと、3者ですので、ロイヤリティーの問題がよりややこしくなりますね。また、ときどき二枚舌を使うこともある、ということ。出来した問題の表現の仕方、あるいは企業秘密に関わるので、ほかの2者にはどうしても言えないとか。その兼ね合いをどうするのか、3者となるとそのあたりが複雑になりますね。
特に、顧客に関して言えば、国プロだろうが、なんだろうが関係なくて、安くていいものが欲しいだけ。なので、国プロの製品というと腰が引けることもあります。それは必ずロイヤリティーが含まれるので価格が高めに設定されるのでは、という危惧があるからです。そこもうまくやる必要が出てきます。
結局、最初の立ち上がりの段階で組織編制がうまくできれば、あとは開発で突っ走るだけ、そして終了時の製品化のときの契約。
トータルでは、国プロは企業から見ても利用価値はあるかと思います。
実際の担当者は気苦労が絶えず、なかなか大変なのですが。
産学官プロジェクト研究(終わり)