Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

環境規制動向(4)

環境規制について調べています。

前回までは、EUの化学物質の規制について調べました。

 

blue2020.hateblo.jp

 


今回は、以前から気になっていたEUの大気汚染、排ガス規制について調べてみます。主にエンジン排ガスについての規制です。

 

 

 

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EU欧州連合)における段階的な自動車排出ガス規制。欧州における排出ガス規制は1970年に乗用車および軽トラックから始まり、1988年には総重量3.5t以上の重量トラックに対する規制が実施された。その後、Euro1(1992年~)、Euro2(1996年~)、Euro3(2000年~)、Euro4(2005年~)と逐次実施され、2009年からはEuro5が、さらに2014年からはEuro6が導入されている。Euro3ではOBD(車載故障診断装置)の装備が義務付けられ、Euro4では乗用車の排出基準がNOx(窒素酸化物):0.25g/km、PM(粒子状物質):0.025g/km、大型ディーゼル・トラックではNOx:3.5g/kWh、PM:0.02g/kWhとなった。Euro5では、乗用車の排出基準がNOx:0.18g/km、PM:0.005g/km、さらに地球温暖化防止のためのCO2排出量規制(140g/km以下)が新たに追加された。Euro6では、NOxの排出基準を0.08g/km(日本のポスト新長期排出ガス規制と同じ)とし、PMに関してはEuro5と同じ。

 

さらにEUは21年から「CAFE規制」と呼ばれる自動車向けの排ガス規制を本格施行します。域内で販売した全ての車を対象に、メーカーごとに走行1キロメートルあたりのCO2排出量を15年の目標値に比べて約3割少ない95g/km以下に減らすことを義務付けます。基準を上回った場合、1台1グラム当たり95ユーロ(約1万2千円)の罰金が各社に科されることになります。

 

また、EUの次期排出ガス規制ですが、新しくアンモニア(NH3)を対象に加えるようです(EURO7)。2020年内に決まる見込みで、23〜24年に開始予定。これまで規制対象だった窒素酸化物(NOx)や炭化水素類(HC)、一酸化炭素(CO)と異なり、よく使われる三元触媒で浄化できないそうです。NH3はガソリンエンジンの混合気で燃料が濃い状態で燃えたとき(リッチ運転時)に発生しやすい。現行エンジンの大半は燃料と空気の比率を理論空燃比(14.7)として運転するが、実態は気筒内に濃淡がある。濃いところでNH3が発生しがち。希薄燃焼へのシフトが進みそう。

 

一方、四輪車だけでなく二輪車にも厳しい排ガス規制が課せられてきました。

ユーロ6規制の大波に備え、強制進化で二輪車の未来を切り開け【バイク新車近未来予想】 | WEBヤングマシン|最新バイク情報 (young-machine.com)

 

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EURO5が今年、そしてさらに厳しいEURO6が2024年ころに予定されているようです。

 

自動車(四輪車)ではすでに、有害な化学物質(NOxなど)の排出抑制という目的から、地球温暖化ガスの低減に変わっていて、実質CAFE規制によってCO2排出量を規制される段階にきています。

そして、さらにEURO7におけるアンモニアの規制。
ぞうきんをきつく絞るような規制です。

 

一方、二輪車は、排ガス規制の最終段階であろうEURO6規制に向かおうとしているところです(おそらくその規制は最も厳しく、PM量を厳密に規定するものになるかと)。

 

EUでの自動車排ガス規制、今まで以上に、加速度的に厳しくなっている、という印象です。それは、企業努力を要請するという生易しいものではなく、法律として厳に遵守せよということなので、やるしかないものです。

 

環境規制動向(4)(終わり)

bluetech.hatenablog.com