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工学博士が環境を考える

科学技術の行方(中国)(1)

中国の科学技術。
猛烈な勢いで進展しているようです。

はたして我々が学ぶべきことはあるのか、そんな視点で中国の科学技術について調べてみました。

 

まず、概略です。

2016 年の中国の研究開発費は25.7 兆円規模で、日本(18.4兆円)を超え、米国(55.6 兆円)に続く世界2 位となっている。日本も中国に抜かれたとはいえ、世界3位。ただ、アメリカとは違ってもはや増額はないようです(ほぼ頭打ち)。

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また、研究開発費を購買力平価換算でみると、中国は46.1兆円で、米国(51.9兆円)に続き世界2位となっている。日本は3位(18.4兆円)となっている。中国の研究開発費は2000年に入ってから急増している。
購買力平価;ある国である価格で買える商品が他国ならいくらで買えるかを示す交換レート。

 

こちらの図だともっとはっきりしていて、アメリカの伸び率と比較して明らかに中国の伸びが大きく、中国がアメリカを追い抜くのは時間の問題のようです。一方の日本は、やはり足踏みしていて、中国には大きく水を開けられています。

 

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また、各国のGDP比を見てみると、2016年、中国の研究開発費の対GDP比は2.11%となり、韓国(4.23%)、日本(3.42%)、ドイツ(2.93%)、米国(2.74%)などとかなり差があるものの、2000 年に入ってから急増する傾向にある。さらに、中国政府はこの比率を 2020年までに2.5%以上に引き上げることを目標としているそうです。

 

国の規模の割に韓国が、研究開発に力を入れているのがわかります。日本も頑張っているのですが、もう伸びがなく、韓国にあっさり抜かれています。中国やインドは、それでも、まだGDPの割に研究開発費は少なく、これからの伸びが予想されます。

 

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で、その研究開発費ですが、どの領域に使われているのか。
2016年、中国の研究開発費の使用について、開発研究の割合が他の主要国より大きく、84.5%を占めている一方、基礎研究の割合は最も小さく、5.2%となっている。

あと、面白いかな、と思ったのはドイツ。

応用・開発(もっとも実用化に近い領域)と真逆の基礎研究の比率が比較的多いこと。

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次は人のはなしです。

中国の研究者数の増加率は顕著であり、2016年では169.2万人で米国(138.0万人、2015年)を超え1位となっている。ただし、中国は2009 年から統計手法を変え、研究者の定義を「中級ポスト者及び大卒者以上」から「中級ポスト者*及び博士号取得者以上」にランクを上げたことによって、研究者数が一時的に減少した。
*中級ポストの意味は①専科大卒で専門職経験7年以上、このうち研究助手経験4年以上;②大卒で専門職経験5年以上、このうち研究助手経験4年以上;③修士号取得者で専門職経験3年以上、のいずれかであること。

 

こちらも日本は足踏みしてますね。

 

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それで、中国が重視している研究領域ですが、論文の内容からうかがうことができます。

 

中国の論文は物理学/材料科学、化学分野が多い。日本や米国等と比べ、中国は臨床医学及び生物学/生命科学分野の論文数が少ない。
注:各分野の構成は、クラリベイト・アナリティクス社、“InCites Benchmarking(July 2018)”をもとに文部科学省が19 分野を図中の7 分野に組み替えている。2013-17 年までの集計値である。

 

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また、発表された論文数ですが、Scopusデータベースにおける論文数は2018年、中国が440,761編となり、米国を抜いてはじめて1位となった。日本は2003年まで米国に次ぎ2位であったが、2003年以降徐々に順位を落とし、2018年は5 位であった。

今の順位は、中国、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本。

中国の目覚ましい台頭が見てとれるとともに日本の科学技術の低下が懸念されます。

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一方、特許についてです。

2016 年、主要国の特許出願件数は、1位が中国で 125.7 万件、2位が米国で 52.2 万件、3位が日本で45.6 万件となっている。中国の出願件数は 2010 年代に急増し、これからさらに増える見込みである。

 

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概況は以上です。

科学技術について、アメリカがTOPで日本が2位で今まで走ってきました。しかし、2000年を超えたあたりから中国が台頭しはじめ、日本は中国の後塵を拝するようになっています。それはGDPで言われることと同じなのですが、論文数をみて愕然としました。世界3位が日本の立ち位置だと思っていたのですが実は5位。

 

中国の科学技術についてさらに調べてみます。

 

 科学技術の行方(中国)(1)(終わり)