Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

水素・EV

年末になって急に、地球温暖化対策や二酸化炭素削減に向けた動きがでてきました。これはなぜか、という記事がありました。

toyokeizai.net

 

その記事から、一部引用してみます。

 

急に動き出した最大の要因は「アンモニア火力発電」

10月13日に火力発電最大手のJERA(東京電力中部電力の火力発電事業統合会社)がアンモニアを活用して火力発電でも二酸化炭素(CO2)を実質排出させないロードマップを打ち出した。この動きこそが、菅首相カーボンニュートラル宣言に現実味を持たせ、状況を察知した産業界の多くがどっと動き出す要因となったのだそうです。

 

ちなみにこれがそのロードマップ。

f:id:BlueTech:20201211095515p:plain


アンモニアの活用により、火力発電はCO2フリーの調整用電源としての裏付けができたということになります。火力発電をそのまま使えるわけですね。

 

発電はアンモニア、自動車など輸送機器は水素というすみ分け

 

ということで、おおざっぱに言うと、日本の電力業界はみんなアンモニアによる火力発電へ突き進んでいる。アンモニアは毒性(強い刺激性)があり、コンシューマ用途には向かないが、工業や肥料用などで長年使用されてきたため、発電所や工場などではハンドリングしやすいのだそうです。

一方、水素にはFCVに代表される自動車分野や家庭用のエネファームなどの用途があるが、貯蔵・運搬面で技術的課題がある。運搬方法では大きく2つの候補があり、1つはマイナス253℃まで水素を冷却して液化する方法、もう1つは水素にトルエンを混ぜてメチルシクロヘキサン(MCH)にして輸送・貯蔵する方法だ。MCHなら普通のコンテナで運ぶことができ、低コストだが、最後に水素を分離する際に約400℃の熱を加える必要がある。液体水素、MCHともに冷却や加熱によるコストの課題などを抱える。

 

アンモニア燃焼が、火力発電の生き残る道、化石燃料以外の燃料を確保する、ということです。一方、自動車の内燃機関、これも新しい燃料(e-fuel)を探しています。

この動き、既存産業の必死さを感じさせます。

 

水素・EV(終わり)