以前、中国の科学技術の行方を書いて、千人計画について触れました。
で、最近、日本政府が危機感を抱いて、規制強化に乗り出すようです。
この中国の千人計画というのは、中国が世界中の有能な科学者をスカウトして、中国で研究をさせようというものです。その中に44人の日本人もいた、ということでちょっとした騒ぎになっているわけです。
その千人の中身はこんな感じ・・・・
運営指針とみられる「海外高層次人才引進計画管理弁法」によると、責任部門は中国共産党の中央組織部。中央組織部は共産党の人事部に当たる組織で、約9200万人の党員を束ねる絶大な権限を持つ。管理弁法の第二十九条は、計画に参加した専門家に思想的な指導を行う必要性を明記している。しかし、残る四十二の条文は招へいする海外人材の条件など実務的な内容ばかり。例えば、日本人の大学教授が該当する「外国専門家」には65歳未満、3年以上の勤務などの条件がある。ただ、「研究成果の知的財産は中国側に帰属する」など義務的な条項はなく、金融、舞台芸術、デザインなどテクノロジー以外の人材にも門戸を開いている。
気になるのは、思想的な指導を行う、ということ。マインドコントロールということなのでしょうか。
実際に中国で働いている日本人科学者の記事・・・
「本当は日本で働きたい…」中国「千人計画」参加者の本音 ノーベル賞・本庶教授も日本の現状に警鐘(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース
「論文を出さなければいけないプレッシャーはキツイですよ。自分の場合、与えられた研究費は5年分だけですから、それ以降は中国で企業や省のプログラムに応募しないとゼロになってしまう。自分を含めて中国に来た若手の研究者は、働けるなら日本にいたいというのが本音です。給料や研究費が高いから中国に行くのではなく、日本に研究者としてのポストがない。だから中国へ行くしかなかったのです」
・・・でしょうね。
研究者としてのプライド、ポストが得られない悔しさ。そんなことが理由で中国に渡る。あり得ることですね。
そんな研究者の頬を札束でたたくやり方。中国らしいといえば、らしいのですが、果たしてそれだけで終わるのか。研究者の業績を根こそぎ、中国の軍事や産業に転嫁させてゆくのではないか、と思います。そして用済みになったら、ポイっと捨てられる。そんな気がします。
中国からお金をもらわないと研究できない日本人。
そのあげくに売国奴よばわりされつつあります。
働き方がどんどん多様化している今、日本のアカデミックポストも柔軟に様々な人に門戸を開く、新しいシステムにしてはいかがでしょうか?
中国千人計画(終わり)