Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

司馬遼太郎のこと(5)

好きな歴史作家、司馬遼太郎について書いています。

前回は「台湾紀行」について書きました、
その前は名作「坂の上の雲」。

 

これは、躍動する明治の話でした。

 

blue2020.hateblo.jp

 

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で、今回は幕末ですね。

とすると、やっぱり竜馬がゆくでしょうか。

 

坂本 龍馬(さかもと りょうま、天保6年11月15日〈新暦・1836年1月3日〉 - 慶応3年11月15日〈新暦・1867年12月10日〉)は、江戸時代末期の志士、土佐藩郷士土佐藩郷士の家に生まれ、脱藩したあとは志士として活動し、貿易会社と政治組織を兼ねた亀山社中(のちの海援隊)を結成した。薩長同盟の成立に協力するなど、倒幕および明治維新に関与した。大政奉還成立の1か月後に近江屋事件中岡慎太郎、山田藤吉らとともに暗殺された。暗殺者は諸説あるが、京都見廻組という説が有力である。1891年(明治24年)4月8日、正四位を追贈される。

 

今さらですが、そんな幕末の偉人。 

 

龍馬は「夕顔丸」船内でこれからの日本の政治綱領を書き、示しました。
それは以下の八項目。

いわゆる「船中八策」です。

 

1 天下ノ政権ヲ朝廷ニ奉還セシメ、政令宜シク朝廷ヨリ出ヅベキ事(大政奉還
2 上下議政局ヲ設ケ、議員ヲ置キテ万機ヲ参賛セシメ、万機宜シク公議ニ決スベキ事(議会開設)
3 有材ノ公卿諸侯及ビ天下ノ人材ヲ顧問ニ備ヘ官爵ヲ賜ヒ、宜シク従来有名無実ノ官ヲ除クベキ事(官制改革)
4 外国ノ交際広ク公議ヲ採リ、新ニ至当ノ規約ヲ立ツベキ事(条約改正)
5 古来ノ律令を折衷シ、新ニ無窮ノ大典ヲ撰定スベキ事(憲法制定)
6 海軍宜ク拡張スベキ事(海軍の創設)
7 御親兵ヲ置キ、帝都ヲ守衛セシムベキ事(陸軍の創設)
8 金銀物貨宜シク外国ト平均ノ法ヲ設クベキ事(通貨政策)
以上の八項目は「船中八策」として知られることになる。

 

いずれも、のちの明治政府の根幹をなす政策です。幕末の混乱の中で、ダイナミックに生き抜き、外国に行ったこともないのに、こうすべきという青写真を持っていた坂本竜馬。これはもう直感的に、こうあるべきということがわかる、ある種の天才なのかもしれません。そして、司馬は、この竜馬を、生き生きと、人間臭くて、魅力ある人物として描きました。幕末の志士たちは明治期、栄達を果たしましたが、竜馬は志半ばで暗殺されました。だから、余計にその青春時代がきらきらと輝くものになって、この小説の面白さが増したのだと思います。

 

坂の上の雲」で見えた躍動する明治が、こうした幕末の偉人たちのおかげで成立している、そんなことも感じさせる小説です。

さわやかな読後感は、幕末-明治の気分そのもののように思えるのです。

 

司馬遼太郎のこと(5)(終わり)