中西輝政の「国民の文明史」を読んでいます。
「国民の文明史」の内容・・・
第一章 文明史が示す日本の現状と危機
第二章 「文明史」とは何か
第三章 日本文明史に見る「超システム」現象
第四章 「縄文」と「弥生」の日本文明史
第五章 日本文明が揺らぐとき
第六章 昭和の大戦の文明史的意味
第七章 世界の中の日本文明――比較日本文明論I
第八章 日本はアジアではない――比較日本文明論II
第九章 文明としての米・中との対峙
第十章 文明史から見たあるべき日本の改革
まず、中西は、日本の歴史を日本文明の基層である「縄文」期と、混乱時に外来文明を換骨奪胎して自らのものとする「弥生」期の繰り返しであると説いています。それが、日本文明の特徴であると。また、日本は、中国文明の亜流ではなく、あくまでも固有の文明であると定義しています。縄文と弥生が繰り返されるシステムが日本であるということです。
まず、「縄文的なるもの」。
自然との調和や集団への同一化の志向を強め、変化を嫌い、平和を志向する感性。事実、縄文時代は一万年近く同じものを続けてきた。
一方、「弥生的なるもの」。
わずかな期間に物事を激変させることができる感性。わずか数百年の間に水田稲作を中心とする弥生文化が広がったこと。
この2つが、交互に訪れるシステムを日本文明は持っている。また、危機に際したとき縄文から弥生へ「瞬発適応」がなされる。
実際、その歴史は、縄文から弥生時代、平安から鎌倉時代と、システム転換を行っている。それが、日本文明の大きな特色だとしています。
中西は京大の教授だった人で、やっぱりこの本は難しい。
でも、続けて読んでみます。
「国民の文明史」を読む(2)(終わり)