Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

「国民の文明史」を読む(3)

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国民の文明史を読んでいます。

 

 

前回は、日本文明が持つシステムについてでした。
「縄文的なるもの」と「弥生的なるもの」が交互に現れる。劇的な相互変換。
要するに、現状に甘んじてなんの違和感も感じない、平和で協調的な時代(縄文的)と劇的な変革を欲求する時代(弥生的)が代わる代わる現れるシステム、それがあるのが日本文明、ということでした。

 

それに加えて、大事なのは「換骨奪胎の超システム」が作動する、ということ、と中西は言います。

換骨奪胎(かんこつだったい); 骨を取り換え、子が宿る胎を奪(うば)いとるという意味から、先人の発想や形式を利用しながら、自分独自の作品につくり直すこと。

 

これはとても大事な話かな、と思います。換骨奪胎は、明治の福沢諭吉も使った言葉ですが、外から流入する文化、技術、文明は無条件で受け入れるのではなく、日本にあうように変えて、あるいは部分的に拒絶してから、受け入れる、ということです

 

このシステムが誤作動すると、すなわち、日本に合う、あわないを吟味することなく取り入れてしまった場合は、その修正に、劇的な変革が必要になる(弥生化が必要ということ)。

 

このあと、中西は、実際に日本の歴史の動き、流れを検証しています。

 

国民の文明史を読む(3)(終わり)