Blog 真っ青な空

工学博士が環境を考える

日本の科学技術を考える(3)

今回は、科学技術を支える「博士」についてです。

工学博士や理学博士など。

 

f:id:BlueTech:20210223202117p:plain

自然科学系の「博士」については前にも書いています。

 

blue2020.hateblo.jp

 

 

blue2020.hateblo.jp

 

博士の数は2003年くらいがピークで、だんだん減っているようです。

そもそも、なぜ2003年に博士が増えたのかと言えば、文部科学省が、ポストドクター等一万人支援計画を策定し、1996年度から2000年度まで実施したからです。この計画により、研究の世界で競争的環境下に置かれる博士号取得者を一万人創出するために期限付き雇用資金を大学等の研究機関に配布したのでした。

 

で、なぜ、唐突に博士号取得者を一万人創出しようとしたのか、と言えば、当時、基礎研究に資金をあまり投入してこなかった日本政府に対し、アメリカからの年次要望書の中に日本も基礎研究にもっと資金を投入すべきとの議論があったことが理由の一つと言われているそうです。

 

もともと、日本で博士号を取得しようとする人は少なく、経済的に恵まれていたり、あるいは本当に頭のいい人(成績がいい人?)だけが取っていたように思います。また、実業界、企業も博士を必要としていたのか、といえば実際はそうではなかったと思います。企業内で独自に教育を行い、チームワークよく業務を進めてゆくことを企業は、最優先としていたし、博士号を持っているからといって、高い給与や役職を準備することもありませんでした。要するに、企業で博士はいらなかったのが実情だったと思います。

 

にもかかわらず、アメリカから言われて、政策的に博士を一万人創出してしまったこと、つくづく軽率だったように思います。その一万人の博士が、日本と言う国でどう働くのか、働けるのか、その議論がなかった。

 

きわめて残念なことだったと思います。

 

日本の科学技術を考える(3)(終わり)