Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

電池技術

EV、電気自動車の行く末を決めるのは、電池。

と、前々から言われてきました。
その電池技術についての記事です。

 

日々、刻々と、技術は進化しているので、今の状況を掴んでおくことは大事。

で、今回は、電池材料研究で最前線に立つ東京大学工学研究科の山田淳夫教授へインタビュー記事です。

toyokeizai.net

 

まず、ずっと期待されていた「全固体電池」

 

液体の電解質を使う現在のリチウムイオン電池に対し、固体の電解質を使う「全固体電池」になれば、エネルギー密度、信頼性、耐久性、安全性の問題がすべてクリアされるとの期待が高まっています。しかし、一般的には液体の電解質は燃えやすく、固体の電解質は燃えないと思われがちだが、大型全固体電池用に検討されている固体電解質は可燃性が高い。安全性には燃焼リスクだけでなく、毒性や腐食性など他の重大なリスク要因が含まれ、トータルできちんと認識する必要がある。

 

・・・以前は、全固体電池で決まりくらいの勢いだったのですが、今はそうでもない。

 

また、最近のEV搭載電池の動き

最近になって、正極材にオリビン型リン酸鉄を使うリチウムイオン電池の採用が急速に広がっている。テスラや中国のBYDなどがEVに次々と採用している。日本ではソニーから事業を引き継いだ村田製作所やエリーパワーなどが手掛けている。最新のテスラ「モデル3」のスタンダードグレードには、このリン酸鉄系電池が搭載されている。このテスラモデル3はWLTP航続距離約450キロメートルを達成している。中国の上海GM五菱汽車が開発した激安EVもリン酸鉄系。

 

この電池は、希少金属ではない鉄ベースなのでコストが安く、資源不足の心配もない。充電限界電圧に対して大きな余裕があるので充電速度が速く、満充電近くまで充電速度を維持できるうえに、満充電状態で放置しても劣化しない。このことから、通常EVは80%程度以下の充電での使用が推奨されるのに対し、モデル3ではむしろ100%充電での使用が推奨されている。何よりも耐久性がずば抜けて高く寿命も長い。加えて、燃焼の原因となる酸素を放出しないので、現在の汎用電解液を使っても安全性をかなり担保できる。このように、リン酸鉄系のリチウムイオン電池によって、実は現状の多くの課題を突破できる。

 

 

・・・今は、リン酸鉄系のリチウムイオン電池が有望、そして実際、EVに搭載されつつある。

 

 

アメリカや中国系の企業と比べると意思決定のスピードに差があるように感じられる。たとえば、大学の研究シーズに真っ先に本気でコンタクトしてくるのは中国企業だったりする。文化の違いや善し悪しはあると思うが、日本企業は、慎重に段階を踏んで物事を始めることが多い。その一方で、素性の悪い技術開発が成り行きで継続され、やめるにやめられないというケースも散見される点を心配している。

 

・・・日本企業の意思決定の遅さ。相変わらず。

 

今は、そんなところのようです。

 

電池技術(終わり)