Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

全固体電池2

電気自動車の命運を左右する電池についての話です。
今までも、その技術については何度か書いてきました。

f:id:BlueTech:20210110134507p:plain

特に、全固体電池は、従来型の電池の電解質を固体にすることで、高いエネルギー密度と出力特性の電池を可能にする。そのため後続距離や充電時間に課題があるEV用の次世代電池として期待されている技術です。

 

blue2020.hateblo.jp

 

 

blue2020.hateblo.jp

 

その『全固体電池』の現状について、最近、書かれた記事・・・

全固体電池の材料研究で最前線に立つ東京工業大学・菅野了次教授へのインタビューです。

toyokeizai.net

 

引用します・・・

リチウムイオン電池を超えるのに四苦八苦

――電解質を固体にすれば性能が大きく向上するのではないのですか。

エネルギー密度は基本的に正極と負極で決まるので、電解質が固体になったからといって、基本的にそんなに変わるわけではない。固体電池を研究してきたわれわれは固体電池にメリットがあると言ってきたが、なかなか示すことができていないのが実情だ。

 

電解質が液体の場合(従来型のLiB)、リチウムイオンの電極と電解質の界面(境界面)での移動時の抵抗が大きい。リチウムイオンが分厚いコートを着ており、反応時にはこのコートを脱がないといけないといったことをイメージするといい。そのコートを脱ぐときの抵抗が非常に大きい。

電解質が固体になると、このコートがいらないのでリチウムイオンが速く動き、大きな電流を取れる、すなわちパワーを上げることができるのではないか、充電時間が短くできるのではないか、と考えられた。もっとも、これまで研究してきたものの、実際にはあまりメリットがなかった。・・・・引用終わり。

 

正直、がっかりですね。

今までPRされてきたことが、すべてダメでした、みたいな告白インタビュー。
そんな印象を持ちました。

 

それだけ、現行のLiBはすばらしい完成された技術ということかもしれません。

 

 全固体電池2(終わり)