Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

BEV(電気自動車)のこと(1)

先日、クルマの半年点検のため、ディーラーに行ってきました。
一時間くらいで終わるとのことなので、お店の接客スペースでパソコン作業をしながら待っていました。

 

さて、無事点検も終わって、ディーラーの人と、よもやまばなしをしたのですが、
やはり話題は「BEV(電気自動車」のこと・・・

 

「2030年までに、大きく変わる(内燃機関から電気モーターへ変化)って言ってたけど、それはないね」

「変わるととしても、2035年くらいからじゃない?」

 

「日本で、BEVは普及しなくても、今のガソリン燃料に、ちょっぴりエタノールなどのバイオマス燃料を混入させて、地球環境対策云々はそれでよし、でいいんじゃない?」

 

「あと、走行距離を考えると、BEVだと200km程度だから心配。それを考えるとまだ、PHEVの方がいいよね」

※BEVとは「100%電動車」、PHEVとはガソリンと電気をエネルギー源とする「プラグインハイブリッド車」のこと。

「BEVが故障しても、その修理は今のディーラーではできない。やるとしても、モジュールとして交換することくらい。でも、車体や駆動系はできるけど」

 

「中国だと、EVが多いけど、あれは補助金がでているからであって、これからはわからないよ」

 

 要するに、まったく、BEVに対して「やる気なし」でした。

 

2022年時点で、世界の新車販売台数に占めるEV(BEV・PHEV)の比率は14%
(BEVとPHEVの比率は、BEVが約70、PHEVが約30%)

ヨーロッパは21%、アメリカは7.7%、中国は29%、

一方、日本は3%、世界平均と比べてもかなり低いレベルにあるようです。

 

ちなみに、2022年の各国EV比率は以下のとおり。

https://ev-charge-enechange.jp/articles/139/#sec2

 

2022年の世界の電気自動車の販売台数は1020万台で、総台数は2600万台。

市場第1位の中国は、2022年の電気自動車販売台数が590万台と世界の約60%を占め、電気自動車の総台数は1380万台で、世界にある電気自動車のうち、半分以上が中国にある。

第2位の市場はヨーロッパで、2022年の電気自動車販売台数は260万台と世界の約25%を占め、電気自動車の総台数は780万台で、世界の30%の電気自動車はヨーロッパにある。そのヨーロッパでもっとも市場が大きいのはドイツで、2022年の電気自動車販売台数は83万台、次いでイギリスが37万台、フランスが 33万台となっている。

第3位はアメリカで、2022年の電気自動車販売台数は99万台と世界の約10%を占め、総台数は300万台で、世界の10%の電気自動車はアメリカにある。

日本の2022年の電気自動車販売台数は10万2000台と世界の約1%。総台数は 41万台で、世界の1.6%の電気自動車が日本にある。

 

あきらかに日本と、欧米、特に中国とは一線を画した状況となっていますね。

 

その日本でEV が普及しない理由として、以下が挙げられています。

 

・充電設備が普及していないこと。
ハイブリッド車で十分に燃料の節約ができていること。
・EVの車両価格が従来のガソリン車にまだ対抗できていないこと。
・遠距離移動に不安があること。
・充電に時間がかかること。
・マンションで充電スタンドが設置できないこと。
・車種が少ないこと。

 

あと、ガソリン車から電気自動車に替える、という気持ち的なモチベも少ないような気もします。

 

EVに替えれば、ガソリンスタンドに行く必要もなくなって、燃料代も少なくてすみ、運転中も静かだし、というメリットもあるのですが(あと地球環境にもいいし、というのもあるのですが、個人消費にはまったく関係ないと思っています)、

 

現状で十分、わざわざ高いEVを買う気がしない、という気持ち

 

日本はもはや成熟しきっていて、現状変革の必要性がないのかもしれません。
だから、インフラの大変革を伴う、EVに消極的ということ。

 

地球温暖化対策としての自動車の電動化という世界の潮流にとり残される、という悲鳴に近い意見も耳にするのですが、

 

それが、いいのか、悪いのかも、わかりません。

 

ただ、日本の自動車メーカーも含めて、今の自動車産業の構造が、そのままであって欲しいという願望も含めた空気が日本に漂っているような気もします。

 

BEV(電気自動車)のこと(1)(終わり)