Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

研究

ウクライナ戦争が及ぼすもの

連日、ウクライナ戦争について報道されて、その行く末が気になります。 ロシアとウクライナが戦って、いわゆる西側諸国がロシアに対しては経済制裁をして、ウクライナには支援をする構図がしばらく続きそうです。 西側諸国とは言っても、世界の1/3程度、…

中国企業のこと

「世界の工場」として驚異的な経済成長を遂げた中国。 2010年にGDPで世界第2位の経済大国となりました。 ところが近年は、成長を支えてきた大量投資と輸出主導の経済発展モデルが行き詰まりを見せ、経済成長の伸び率も鈍化し、中国の衰退が『期待』とともに…

理系文系

人生の岐路、大学を受験しようとする際に、文系に行こうか、理系に行こうか、迷いますよね。 あるいは、理系には進んだのだけれど、果たして自分は理系人間なのだろうか、とか考えたり。 自分の場合、もともと文系的なことが好きで、文学や歴史、地理の本は…

研究ざんまい

理系の大学を出て、企業の研究所に長い間、勤務しました。 大学や大学院で化学を勉強して、そのあと研究室での卒業研究や修士研究、それから企業に入って、また研究。 博士研究も企業でのものでした。 で、やはり、企業での研究がとても面白かった、と思いま…

人工光合成

トヨタグループの中には、当然ですが、研究所もあって、 豊田中研(豊田中央研究所)が有名です。自動車関連技術の研究開発を目的として1960年にトヨタグループ9社の共同出資を受けて設立された研究所。研究所そのものが株式会社組織となっていて、資本金が3…

バイタルチェック

住友理工は、座るだけでバイタル(心拍・呼吸)や体動情報などを取得できる「ドライバーモニタリングシステム」のプロトタイプが完成したと発表 ・・・という記事。 response.jp 自動車業界では現在、カメラやレーダーなどによって走行時の安全性や快適性を…

新事業の継続

コロナとか、人材がいないから、といって企業の新規事業をストップさせてはならない、と言う記事・・・ www.itmedia.co.jp (1)元々「新事業創出に積極的な」企業ほど、コロナ禍の中でさらに積極的に (2)新事業創出の課題はやはり「適切な人材の投入」 も…

日本の科学技術を考える(5)

日本の科学技術を考えています。 blue2020.hateblo.jp 失われた20年という言い方がよくされます。バブル崩壊後の1990年代から2010年代初頭までの20年間のことです。この間に、日本は停滞し、韓国、中国、あるいはインドなど新興国の追い上げにさらされ、…

日本の科学技術を考える(4)

今回も、科学技術を支える「博士」についてです。 blue2020.hateblo.jp 前回は、一万人の博士をアメリカの言うがままに作ってしまって、その使い道がなかった、という話を書きました。 で、その一万人の博士ですが、ごく一部は、大学などのアカデミックポジ…

日本の科学技術を考える(3)

今回は、科学技術を支える「博士」についてです。 工学博士や理学博士など。 自然科学系の「博士」については前にも書いています。 blue2020.hateblo.jp blue2020.hateblo.jp 博士の数は2003年くらいがピークで、だんだん減っているようです。 そもそも…

日本の科学技術を考える(2)

最近の大学、特に理系の大学についてです。 独立行政法人になって、自立化を促され、研究費を自分で稼いで、そのお金で研究を行うようになっています。あと、大学発のベンチャー企業、あるいは大学がベンチャー投資を行うとか。そんな動きが活発化しています…

日本の科学技術を考える(1)

中西輝政著の「国民の文明史」を読んで、日本という国には、本来、「換骨奪胎の超システム」があって、 その流れをくむのが、意外と京都大学の理系の人たちであって、それは、ノーベル賞科学者の湯川秀樹や福井謙一だ、という議論に驚きました。 blue2020.ha…

科学技術の行方(日本)(3)

日本の科学技術の行方について、ときどき書いています。 blue2020.hateblo.jp blue2020.hateblo.jp 今回は、日本の科学技術のビジョンについてです、 今、2021年度から2025年度までの5年間を対象とする次期科学技術・イノベーション基本計画の検討を進めてい…

中国千人計画

以前、中国の科学技術の行方を書いて、千人計画について触れました。 blue2020.hateblo.jp で、最近、日本政府が危機感を抱いて、規制強化に乗り出すようです。 www.yomiuri.co.jp この中国の千人計画というのは、中国が世界中の有能な科学者をスカウトして…

アンモニアの意義(2)

以前、「アンモニア」という物質の将来に向けた意義を書きました。 それで、脱炭素社会に向けた『アンモニア』の意義は2つ。 1 新燃料としての利用 ~船舶、発電所への適用~2 水素キャリア(エネルギー媒体)としての利用 ~燃料電池向け燃料~ blue2020…

科学技術の行方(日本)(2)

日本の科学技術の行方について考えています。 blue2020.hateblo.jp 地球温暖化対策とか、脱炭素とか、再生可能エネルギーとかの技術を調べていて、こういうことかな、と思ったことがあります。 こうした大きなテーマだと、日本の国がお金(税金)を出して、…

科学技術の行方(日本)(1)

日本の科学技術について考えてみます。 毎年、秋。ノーベル賞の季節になると、日本人が受賞するかどうかが注目されます。 その受賞者の数、ランキングですが、日本は7位。自然科学部門では世界5位。アジアで唯一です。とても誇らしく思います。 でも、この…

科学技術の行方(中国)(3)

中国の政策の一つに中国製造2025があります。製造業をより強化する、ということで少し前に話題になったものです(2015年に中国が発表)。 製造業を主とした強い国になる、というロードマップです。それは3つの段階で成り立っています。最終的には共…

科学技術の行方(中国)(2)

大国中国の科学技術に対する取り組みを調べています。 最近、菅総理による日本学術会議の会員任命拒否問題に関連して、日本学術会議が、中国の「千人計画」に協力しているのではという憶測が広まっています。 その千人計画というのは、やはり中国の科学技術…

科学技術の行方(中国)(1)

中国の科学技術。猛烈な勢いで進展しているようです。 はたして我々が学ぶべきことはあるのか、そんな視点で中国の科学技術について調べてみました。 まず、概略です。 2016 年の中国の研究開発費は25.7 兆円規模で、日本(18.4兆円)を超え、米国(55.6 兆…

産学官プロジェクト研究

産学官の共同研究、 企業と大学、それと国(または県とか)の3者が関わる共同研究のことについてです。 以前、自分が経験したプロジェクトにJSTの委託開発というものがあります。これは、まさに産学官の共同研究です。 blue2020.hateblo.jp 自分が所属する…

将来に向けた基礎研究の現状

日本の科学技術についての憂いを聞くことが多いです。 日本人がノーベル賞を受賞できるのも過去の成果があるから。今、日本の基礎研究は衰退してしまっているから、これから先、もうノーベル賞はとれなくなる、みたいな話です。 www.sankeibiz.jp 確かに、そ…

ベンチャー企業動向

日本のベンチャー企業。 2019年時点で日本の大学発ベンチャー企業数が2566社に達したそうです。(経済産業省調べ) maonline.jp 1989年度以前は54社、1995年度に112社と100社を超え、2004年度に1207社と1000社の大台に。2008年のリーマン・ショックによ…

アメリカ大統領選挙と環境

これを書いている時点での、アメリカの大統領選挙の行方、 民主党のバイデンが優勢です。ちょっと前までは、共和党のトランプがリードしていたのですが一夜明けるとバイデン優勢に変わっていました。 トランプが勝ちそうだっとときは、これでいいかな、と思…

日本学術会議のこと

最近、日本学術会議のことで国会でもめています。 ja.wikipedia.org 2020年9月、内閣総理大臣の菅義偉が、日本学術会議が推薦した会員候補のうち一部を任命しなかった問題。現行の任命制度になった2004年以降、日本学術会議が推薦した候補を政府が任命しなか…

有機機能材料のこと

自分は博士(工学)です。取得したのは、25年前。 その博士研究は有機機能材料についてでした。有機フォトクロミック材料(光を照射すると化学構造が変化し、色が変わる材料)を書き換え型光記録(コンパクトディスク)に使おう、というものでした。商品化…

基礎研究から商品化まで

企業に在籍しているときに、基礎研究から商品化までの仕事をこなしました。 会社は組織なので、仕事は分担して行うのが普通です。でも、新事業となると、なにがなんなのかよくわからず、誰がやるのか、はっきりせず、混乱しがちです。ということもあって、自…

ノーベル賞

ノーベル賞のはなしです。 先日、自然科学系のノーベル賞の発表がありました。でも、残念ながら、日本人の受賞はありませんでした。 今回は、すべて欧米の方々、アジア人はいません。あと、女性が目立っていますね。物理学賞のアンドレア・ゲズ、化学賞のエ…

電池の研究(2)

電池の研究についてです。 blue2020.hateblo.jp 以前、『全樹脂電池』の研究について書きました。でも、なんといっても、ポストリチウムイオン電池の本命は『全固体電池』です。トヨタ自動車が精力的に進めています。 2020年1月に開催されたオートモー…

地球温暖化のはなし(つづき)

ちょっと前に地球温暖化のはなしをしました。 そのつづきです。 blue2020.hateblo.jp 温室効果ガスの排出(これは、ほぼ二酸化炭素で、石油を燃やす、ガソリン燃焼させてでエンジンを動かすことで発生)⇒ 太陽光を吸収(二酸化炭素は赤外領域に吸収帯を持つ…