Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

ガソリン車禁止の延期

最近、急速にEV化が進んでいて、
中国製のEVが世界を席巻する勢いを見せています。

 

https://president.jp/articles/-/74621

2023年上期、世界の電動車(EV、PHV、FCV)市場においてBYDは約117万台を販売しトップ。2位は、米テスラの約78万台、3位が独フォルクスワーゲンの約31万台。4位は中国のジーリーの約27万台、5位はステランティスの約22万台だった。ジーリーはスウェーデンボルボなど先進国の自動車メーカーの株式も保有する。

 

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230728/k10014145281000.html

一方、日本メーカーのEVの販売台数は、日産がおよそ7万台トヨタが4万6171台、ホンダが8400台にとどまっている。

 

日本メーカーの大幅な出遅れ感が見えますね。

 

そんなとき、イギリスが「ガソリン車禁止を延期する」という朗報が届きました。

その概要は以下のとおりです。

 

日経新聞
イギリスのガソリン車禁止延期 日本勢「現実的」と安堵
2023年9月21日

英国政府がガソリン車やディーゼルエンジン車の販売禁止時期をこれまでの2030年から35年に延期した。電気自動車(EV)への急速な移行は短期的な投資負担が増えるため、電動化で遅れてきた日本の自動車業界には安堵する声もある。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2191E0R20C23A9000000/

 

また、イギリスのBBCは以下のように伝えています。

BBC NEWS】

Firms still forced to sell more electric cars despite petrol ban delay
Published    21 September

https://www.bbc.com/news/business-66875554

ガソリン車とディーゼル車の新車販売禁止が延期されたにもかかわらず、自動車会社は電気自動車販売の厳しいノルマを達成することを余儀なくされる。

 

 

1月からは、販売される自動車の5分の1強を電気自動車にしなければならず、2030年までに80%に達すると予想されている。

イギリス政府は、リシ・スナック首相がガソリン車とディーゼル車の販売禁止を2035年に延期すると発表したにもかかわらず、この政策が維持されることを確認した。割り当てを達成できなかった企業は、車1台につき15,000ポンドの罰金を科される可能性がある。

・・・

ある大手メーカーはBBCに対し、ガソリン車やディーゼル車の新車販売禁止を延期する一方で、電気自動車販売の目標達成を企業に強いることは、企業にとって電気自動車を販売することを難しくするだろうと語った。

オンライン自動車販売サイト『オートトレーダー』のコマーシャル・ディレクター、イアン・プラマー氏は、電気自動車販売に関する企業へのノルマは、現在の形では「大半のメーカーにとって達成は無理なこと」だと述べた。

目標を達成するために、ドライバーに電気自動車を買わせるために「値下げをテコにするメーカーも出てくるだろう」と述べた。

・・・

ガソリン車とディーゼル車の新車販売禁止を2030年から2035年に延期するという決定に対し、自動車メーカーの反応はさまざまだ。フォードは、この動きは電気自動車への投資計画を損なうものだと述べたが、トヨタは、この延期は「現実的」なものだとし、この発表を歓迎した。

この禁止措置の延期により、英国はEUと歩調を合わせることになる。EU2035年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止する予定だ。

・・・

 

イギリスはEUに先駆けて、ガソリン車やディーゼル車の販売を禁止するように計画していたのですが、これを5年遅くして、EUと同じ時期に修正したということですね。

 

これを、どう考えるべきか。
単に、先走ることに不安を感じて、EUに従うことを選択したということでしょうか。
今まで、2030年というのが、脱炭素化、地球温暖化対策の節目として語られてきたのですが、もう、あと5年しかありません。これだと、現実的に無理なので、5年遅くして、先送りした、というのが実態であるように思えます。

 

EV化に突っ走る中国メーカー。
リスクを恐れる日本メーカー。

 

思惑が錯綜してますね。

 

ガソリン車禁止の延期(終わり)