Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

EV・バッテリー動向(2)

今日は、電力の供給についてです。

 

かねてから、思っていたのは、地球環境に関わる課題からEV化は避けては通れない、しかし、ガソリンに替わるエネルギーである電気をEVに十分供給できるのだろうか?という話です。

 

2020年12月に、日本自動車工業会(JAMA)の豊田章男会長(当時)は、国内の保有台数約6200万台すべてがEVになったら、電力ピーク時の発電量を現状の15~20%増強する必要があり、その増強量は、原子力発電で10基、火力発電で20基に相当するという試算結果を述べました。 これは、国内の1日の消費電力量の約10%に相当するということだそうです。

 

火力で発電するというのは、もはやありえないので、原子力発電で10%を補充すればいいということですね。

 

ちょっと前、電力の供給が追い付かないのでEV普及は、ただの幻(まぼろし)という議論もありましたが、そうではない、ということ。

 

一方、EV導入が進むEUですが、そのうち、ドイツは、2030年ころにはEV普及率は80%を超えるようです。そのドイツでEVの所有者が即時に充電できる体制を整えるには、ピーク時の電力網の容量を5GW追加する必要があるされ、これは大型火力発電所6基分の電力なのだそうです。ドイツは原発ゼロと言う政策をとっており、かつ脱化石燃料の強力な推進国なので再生可能エネルギーで賄うしかありません。でも、EU域であるということで域内での電力融通もやりやすい。そのあたりがドイツの落としどころのようです(例えば、原発推進国であるフランスから電気をもらう、とか)。

 

あと、充電インフラですが、現在、日本には約3万基の公共用の急速充電器と約27万基の普通充電器が設置されているそうです。それで、日本政府は2030年までに公共用の急速充電器を3万基から6万基に増やし、普通充電器も30万基から60万基に増やすことを目指している、とのこと。

 

一方、やはり、EUのドイツですが、ドイツ国内で利用できる公共用のEV充電器数は、2022年時点で77,000基で、そのうち64,000基が普通充電器、13,000基が急速充電器だそうです。2030年までに100万基とする目標を掲げているのですが、程遠いのが現状のようです。

 

2022年時点で、日本の新車販売台数におけるEV・PHEVの比率は約3%、総台数は約41万台。一方、ドイツの比率は約31%、総台数は約83万台。

 

EV台数はドイツより日本の方が少ないにもかかわらず、日本の充電器の方が多い。
これは、日本の方がインフラ整備は進んでいるとみるべきか。


日本の電力供給は意外とうまくいっている?

さて、どうでしょうか。

 

EV・バッテリー動向(2)(終わり)