日本に根付いた終身雇用というシステムは、変わらない、という記事です。
その記事の抜粋・・・
もともと日本人はリスクを嫌う民族。
金融資産に占める株等のウェイトが大幅に低いことがその証拠。
遺伝子の研究によると、日本人には「慎重な遺伝子」を持つ人が多い。
リスクを嫌う ⇒ 雇用の安定を好む
日本人労働者にとって終身雇用は、雇用の安定を保障するとてもありがたい制度で、それは経営者にとっても都合のよい制度。終身雇用であれば、従業員にコストをかけて教育しても、長い時間をかけて回収すればよく、企業にとって好ましいようにしっかり教育する事ができる。
最近では「変化が激しい時代なので、終身雇用制は維持できない」といった発言をする経営者が増えてきたようですが、これは疑問。
高度成長期には石炭から石油へ、軽工業から重化学工業へ…といった産業構造の大きな変化があったのに、終身雇用制は定着していたのですから。
終身雇用制を難しくしているのは、実際のところ、企業がかつてのような「従業員の共同体」から「株主の金儲けの道具」へと変質していることが原因だろうと思われます。以前の日本企業は、社員が幸せに定年まで働けるということを大きな目標としてきたわけですが、それが変化しつつあるということです。
中高年の社員は年収が高く、定年まで雇っているとコストが嵩むので、出世コースから外れたならお引き取りいただきたい、という経営側の希望が最近表に出ているのです。
人生100年時代になって定年がそのまま延長されれば、企業収益を大きく圧迫してしまいます。そのため、現実的な手段としては、役職定年や定年後再雇用を活用し、中高年に安い賃金で働いてもらうことになるでしょう。
このように、終身雇用制の枝葉の部分は少しずつ変化していくでしょう。しかし、日本人の気質に適合したシステムですから、根幹の部分は原則として残っていくのではないかと思われます。・・・引用抜粋終わり
自分は、今まで2回転職しているので、この終身雇用の記事によれば、普通の日本人ではない、ということになります。
それはさておき、ある意味、この記事は納得できます。
終身雇用が定着したのは戦後のことで、明治から大正、昭和初期までは労働者の移動は激しかったようです。
終身雇用制はいつからあるの?|公文書に見る戦時と戦後 -統治機構の変転-
だったら、「日本人は雇用の安定を好む」という論理はおかしい、ということになります。
自分が思うのは、結論として、
今、日本人は、変化を良しとしない、安定を指向する時期にいる。
だから、雇用も安定を好み、終身雇用は原則として残る。
しかし、今は、終身雇用が残ったとしても、いつかはその雇用システムは崩壊するように思うのですが。
終身雇用(終わり)