Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

電池のはなし(1)

電池についてのはなしを続けます。

 

 

電気自動車が、自動車業界で主役となるためには、膨大な量の電池を確保する必要があります。

 

xtech.nikkei.com

 

その電池についての記事の一部を引用します。

・・・トヨタは2019年6月7日、電動車両向け電池の安定供給を目的に、提携するメーカーを増やすと発表。具体的には、CATLや中国・比亜迪(BYD)、東芝GSユアサ豊田自動織機の5社と新たに提携を決めたという。トヨタはこれまで、内製で確保できない車載電池はプライムアースEVエナジーパナソニックから調達してきた。方針を転換したのは、「必要な量の電池の全てを自分たちだけではまかなえない」と判断したからだ。「予想を上回るペースで中国や欧州など世界で電動化が進展している」ことが背景にある。トヨタが選んだ電池の調達先の中で、最も大きな生産能力を持つのがCATL。2011年の創業ながら、2017年にパナソニックや韓国LG化学(LG Chem)などを抜いて世界最大の電池メーカーになったとされる。2018年の年間生産量は21.31GWhに上った。

 

トヨタすら飲み込むのか、世界最大手の電池メーカー中国CATL | 日経 ...

 

 

 

電池生産でTOP企業となった中国・CATL。
その考えはトヨタとは違います。

xtech.nikkei.com

 

記事の一部を引用します。

 「全固体電池は開発中で、サンプルも作った。だが、商品化するのは2030年以降になるだろう」。CATLで電池開発を担当する幹部は明かす。

 別の幹部は、「本当に全固体電池は必要なのか。現行の液系リチウムイオン電池を効率よく使いこなすことが、コスト面でも航続距離の面でも電気自動車(EV)にとって最善だ」と述べ、全固体電池の開発ブームに疑問を投げかける。

全固体電池は、電解液を固体にしたもので、現状のリチウムイオン電池を超えるエネルギー密度を実現できる可能性を秘める。冷却機構などの周辺部品を簡素化できることから、電池パックとしての低コスト化も期待される。トヨタは「2020年の東京五輪のタイミングで何らかの形で全固体電池の成果を見せる」と意気込むが、乗用EVへの適用は容易ではない。固体電解質や正極材、負極材など電池を構成する主要材料の最適な組み合わせは探索の途上で、大量生産する技術は確立されていないためだ。EV用の電池で何より重要なのがコストの議論である。目安になるのが、パワートレーンのコストで内燃機関車と同等にすること。トヨタの技術者によると、「電池セルの価格が50ドル/kWhまで下がってようやく、EVと内燃機関車のパワートレーンのコストは同等になる」という。

 

CATLが全固体電池をやる気がないとすると、トヨタへの電池供給はままならず、EVの本格量産は厳しい。トヨタの戦略は全固体電池の性能でもってBEVの本格化ということであり、それをトヨタ単独で行えるのかといえば、やはり難しい。

 

EVの将来、実は自動車メーカーが主導するのではなく電池メーカーがその将来を決める、ように思える、そして、その電池メーカーは中国企業

 

その電池メーカーが、テスラも含めた新しいEVメーカーと組むと、今の自動車産業は音を立てて崩れてゆくような、そんな寒気も感じる、

 

電池のはなし(終わり)

bluetech.hatenablog.com