Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

カーボンリサイクル(3)

カーボンリサイクル技術の中身について迫ってみることにします。


経産省とNEDO、「第2回カーボンリサイクル産学官国際会議2020」開催 ...

 

カーボンリサイクルの全体像は以下の図のとおりです。

経産省とNEDO、「第2回カーボンリサイクル産学官国際会議2020」開催 ...

まず、左側には、CO2をどうやって収集、貯蔵するのかという技術と、その下に前提としてCO2フリー水素の製造技術が掲げられています。これは双方ともMUST技術なのですが、CO2フリー水素について言えば、廉価水素の供給が間に合わず、化学品や燃料の一部については、とりあえず2030年までは、CO2ではなくメタン(CH4)を使おう、ということになっているようです。

 

それで、そのカーボンリサイクルの出口(製品)ですが、以下の4つ。

①化学品;ウレタンやプラスチックの一種でCDなどにも使われるポリカーボネートといった「含酸素化合物(酸素原子を含む化合物)」への利用
②燃料;光合成をおこなう小さな生き物「微細藻類」を使ったバイオ燃料や、CO2由来やバイオマス由来のバイオ燃料。ほかにガス燃料も。
③鉱物;「コンクリート製品」や「コンクリート構造物」への利用。具体的にはコンクリート製品などを製造する際に、その内部にCO₂を吸収させるもの。
④その他;バイオマス燃料とCCSを組み合わせる「BECCS」や海の海藻や海草がCO₂を取り入れることで海域にCO₂が貯留する「ブルーカーボン」などが考えられている。

 

このうち、特に興味を引くのがやはり②の燃料です。無理して高価な燃料電池を使わなくても(FCVのことです)、あるいは高容量のリチウムイオン電池がなくても(BEVのことです)、従来のエンジンで(あるいは小改良で)、使うことができる燃料があれば、即、地球温暖化二酸化炭素排出の問題をクリアすることができるからです。

 

次回はその燃料について研究の現状を調べてみます。

 

カーボンリサイクル(3)(終わり)

 

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