Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

環境規制動向(8)

環境規制、中国の動向です。
前回は、化学物質について調べました。

今回は、中国の排ガス規制についてです。

中国では国6規制が都市部で施行され、2020年7月に中国全土に適用する予定でしたが、コロナウイルスの影響で延期となりました。国6規制とは、国6aの段階で欧州連合(EU)の最新基準「ユーロ6」よりもやや厳しく、米国の最新基準「ティア3」よりは緩いレベルであり、国6bは米ティア3が定める20年の平均値にほぼ匹敵するレベルなのだそうです。

 

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また、中国にはNEVとCAFC規制があります。

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NEVとは、「New Energy Vehicle=新エネルギー車」のことであり、具体的にはBEV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド)、FCV(燃料電池車)が該当します。NEV規制は、中国国内で自動車を3万台以上生産、または輸入する企業に対し、ある比率以上のNEVの販売台数を課すもので、2020年は「全生産台数の10%」をNEVにすることが義務付けられているそうです。

 一方、CAFC規制は「企業平均燃費」を規制し、自動車の生産/輸入台数が2000台以上の企業が対象。そのため、台数が2000台以上、3万台未満の場合は、CAFC規制のみ遵守すれば良いということになります。

 

 管理項目は、クレジットをポイント形式で管理することが基本ルールで、NEVクレジットは、原則的には翌年への繰り越しはできないが、企業同士での取引はできる。また、CAFCクレジットへの等価転用も可能。

 CAFCクレジットのほうは、3年先まで繰り越しができ、企業同士での取引が可能。また、NEVの生産を多くするほどCAFC規制の基準が緩和される。CAFCクレジットは「CAFC目標値-CAFC実績値×生産台数(または輸入台数)」で決定される。

 

このうち、NEVについての改定が、最近行われ、2021年から、「低燃費乗用車」というカテゴリーが追加され、「低燃費乗用車」を1台生産すると通常の伝統的車両(従来から存在するガソリン車やディーゼル車など)の生産では「マイナス1」になってしまうクレジットが0.5倍(つまり0.5台=2分の1台)として計算されるとしている。実質的なHEV優遇策だそうです。

 

これは国内メーカーにHEV生産技術を学ばせるための措置だそうです。NEVの厳格化(BEV、PHEV、FCV)では、現実的に対応できず、HEVを「低燃費乗用車」とカテゴライズすることで利用を促進させようとする流れです。

 

 

 

環境規制動向(8)(終わり)