Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

タクソノミー

タクソノミー。

 

f:id:BlueTech:20210630171922p:plain



恥ずかしながら、まったく聞いたこともない言葉です。

そのタクソノミーについての記事・・・引用(一部抜粋)します。

・・・・・

タクソノミーは「分類法」と訳される。

で、EUが推進するタクソノミー。これは、いったい何を分類するのか。

今までは何が「グリーン」(環境にいいのか)であるか明確な定義がないまま、ビジネスや金融商品が分類されてきた。EUタクソノミーは、グリーンな経済活動の分類を示し、グリーンビジネスへの投資が増えるように金融市場を再設計することを目指したものなのです。これは、実はEUが金融市場をもコントロールし、環境起点の成長で米中に先行することを欧州は目論んでいるのだそうです。

www.msn.com

 

EUタクソノミーでは、環境目的のいずれかに貢献するだけではグリーンであるとは認められない。ある目的に貢献する過程で、別の目的に悪影響を与えないことが求められる。また、大企業と金融機関に対して、「タクソノミー適合率」の開示を求める。非財務情報開示指令(NFRD)対象の上場企業や金融機関は、タクソノミーに準拠する売上高や投資額を開示しなければならない。金融商品も適合率を開示する必要がある。金融機関は投資先の脱炭素化の取り組みを横並びで比較でき、グリーンビジネスに投資が集まるということになる。

 

EUタクソノミ―は、環境目的ごとに対象業種を指定し、その中でも対象となる事業活動を細分化した上で、適格となる閾値を定める。現時点で詳細が法制化されているのは「気候変動の緩和」と「気候変動への適応」で、2021年4月に委任法が承認され、2022年1月に施行予定だそうです。他4つの環境目的についても、2022年に委任法が公表される。「気候変動の緩和」では、現時点では9産業87事業活動が指定され、製造業ではアルミニウム、鉄鋼、化学品などが対象とされる。

 

ただ、グリーンに分類されるハードルは高い。例えば、アルミニウムや鉄鋼などエネルギー集約型産業の閾値は、当初案では各セクターで効率的とされる施設の上位10%の平均実績程度という非常に厳しいものだった。4月に承認された委任法では条件が緩和されたが、定期的に見直される予定となっている。今後、条件がさらに厳格化される可能性は高い。

 

ハイブリッド車に見る「分類負け」の大惨事
 タクソノミーの目的は投資フローの再設計だが、それ以上に「分類」そのものが脅威だということは、日本のハイブリッド車の経験を見るとよくわかる。カリフォルニア州のZEV規制が良い例だ。ZEVとは、ゼロ・エミッション・ビークル、すなわち排出ガスを出さない車を指す。カリフォルニア州のZEV規制は、州内で年間2万台以上販売する自動車メーカーの販売台数の一定比率をZEVにすることを定めたものだ。現在、BMWフィアットクライスラー、フォード、GMヒュンダイ、キア、メルセデスVWに加え、日本メーカーのトヨタ、日産、ホンダが規制対象となっている。

「ZEVの対象を電動自動車(EV)や燃料電池車(FCV)のみとするのは現実的でない」。その観点で、プラグインハイブリッド車(PHEV)やハイブリッド車、排ガスが極めてクリーンな車などを組み入れることも許されていた。しかし、2018年に規制が強化され、EV、FCVと過渡的なZEV(PHEVと水素エンジン車)だけが適合となった。つまり、トヨタを始めとする日本勢は「ZEVの分類」で負け、注力していたハイブリッド車は適合外とされた。規制で決められた販売比率に達しないメーカーは、州政府に罰金を支払うか、他社からクレジットを購入しなければならない。つまり、ZEVに分類されないハイブリッド車に注力していたトヨタや日産などの日本勢は、多額の罰金の支払いか、EVでリードする他社からのクレジット購入かの苦渋の決断を迫られた。

現に、クレジット購入制度によってEVメーカーのテスラは莫大な売上をあげており、2020年には全社で15.8億ドル(1728億円)と過去最高を記録した。分類で負けることが、コスト増加のみならず競合を利する結果を生む。「分類負け」した日本の自動車メーカーが学んだ手痛い教訓だ。

「グリーンウォッシュ」と分類されることが真の脅威
 日本のハイブリッド車の教訓から、「分類」そのものがビジネスに大きな影響をもたらすと理解できる。実際、ハイブリッド車は従来のエンジン車と比べると環境負荷が圧倒的に少ないにも関わらず、「ZEVではない」と分類されたがために莫大な損失を被った。EUタクソノミーでも、「グリーンでない」と分類されること自体が大きな余波をもたらすはずだ。うわべだけの環境配慮、すなわち「グリーンウォッシュ企業」の烙印を押されることもあり得る。

また、タクソノミーが国際的な動きとなる機運も高まっている。経済協力開発機構OECD)や国際通貨基金IMF)などの国際機関もタクソノミ―を検討している。EUタクソノミ―がたたき台となり、グローバルに展開される公算が高い。グリーンウォッシュ企業の淘汰が、EUだけの話でなくなるのは時間の問題だ。

 

ただ、この状況を理解している日本企業はどの程度いるのか。

 

2018年頃から、EUではタクソノミーの議論は成熟しつつあった。他方、日本ではタクソノミーという言葉さえ浸透しておらず、ロビイングでも対応が劣後した。結果として、遠い海の向こうでグリーンビジネスの「分類」が出来上がり、今後、その影響が現地法人から徐々に伝播する。・・・・引用終わり。

 

実に、核心をついた記事だと思いました。

日本国内では、本当にタクソノミー、という言葉はほとんど知られていないと思います。でも、その影響はとてつもない。

 

ISOやRoHS指令、REACH規則。

いつも突然やってきて、あたふたしましたね。
また同じことがおこりそう。

 

タクソノミー(終わり)