Blog 真っ青な空

工学博士が環境を考える

科学技術の行方(中国)(2)

大国中国の科学技術に対する取り組みを調べています。

 

最近、菅総理による日本学術会議の会員任命拒否問題に関連して、日本学術会議が、中国の「千人計画」に協力しているのではという憶測が広まっています。

 

f:id:BlueTech:20201202140147p:plain

その千人計画というのは、やはり中国の科学技術政策の一つです。

 

それは、中国が2008年に策定した、外国の優れた人材を集める国家プロジェクト。
対象は外国人研究者や海外で活躍する中国人研究者で、日本人などの外国人研究者も含まれます。人工知能(AI)やロボット、量子、バイオといった先端技術は競争が激しく、人材を囲い込むなどの手法が問題視されていて、米国では、エネルギー省が所属研究者の千人計画への参加を禁止しました。

 

中国の優秀な学生は海外で高度研究に取り組むことが多く、その多くが華僑として留学後も海外に残っている(頭脳流出)。この状況を打開するために中国の大学の規模と威信を高め、世界最高レベルの大学から華僑や外国生まれの優秀な人材を招致することを目的としています。創設は2008年なのですが、中国共産党中央委員会中華人民共和国国務院が国内の技術革新と国際競争力を強化するために2010年に共同で構想した中国国家人材育成計画としてその重要度がより高められ、10年間で7,000人以上の人々を呼び寄せることに成功しています。日本においても東京大学京都大学大阪大学名古屋大学東京工業大学筑波大学早稲田大学など有名大学の博士やポスドク(博士研究員)を対象に募集が行われている。千人どころか万人の規模で行われているようです。

 

中国共産党中央組織部が実施する海外ハイレベル人材の招致プログラム「千人計画」では政府が1500万円超を一括助成するほか、研究チームに1.5億円超の研究・生活環境を提供。省によっては配偶者の仕事・子どもの進学なども支援する。すでに米・英・独・仏・豪などから研究者が採用されており、日本からも1000人以上が参加したとの見方もあるそうです。

 

確かに、数多くの中国の学生がアメリカ、欧州、日本などに留学して研究を進めてきました。それで、そのままその国で働くようになり、母国に帰らなくなった、で、帰国を促すための制度だったようです。しかし、今、言われているのは中国人だけでなく、そのほかの外国人にも札束をちらつかせて、中国に連れてきて、研究をさせ、中国の科学技術の発展に貢献させようとする動きがある、ということで問題視されているのです。

 

ただ、人材がグローバルに行き来するというのはもはや当たり前。中国だけが責められるというのも酷な気がします。おそらく、中国のやり方がえげつない、ということだと思います。千人、万人と数を決めて、かっさらうように優秀な人材を世界中から吸い上げる。さらわれた国はたまったものではありません。優秀な研究者、技術者がいなくなってその国の科学技術は衰退してしまいます。

 

思い切ったことをやって、短い時間で技術を進化させる、その試みは賞賛に値するかもしいれませんが、その一方で世界全体から見たらダメージも大きい。そう思うのですが果たしてどんなもんでしょうか?

 

科学技術の行方(中国)(2)(終わり)