Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

司馬遼太郎のこと(7)

司馬遼太郎について書いています。

 

 

blue2020.hateblo.jp

 

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時代をさかのぼって、歴史小説をたどり、最初は明治、次に幕末、さらに江戸時代の作品について書いてきました。こうやってたどると、あたりまえのことなのですが、歴史はつながっている、ということを再確認することができます。なぜ明治という時代が表れたのか、どうして幕末はそんな景色になったのか、そんなことです。

 

それで、今回は江戸時代の前。
戦国から安土桃山時代

戦国時代の司馬の代表的な作品ですが、ここでは国盗り物語を挙げてみます。

国盗り物語は第1巻から第4巻まであり、前半は斎藤道三編、後半は織田信長篇となっています。年代にして、永生14年(1517)から天正十年(1582)までの66年間、まさに下克上の時代の歴史ドラマです。

 

あらすじは以下の通り。

https://www.tv-tokyo.co.jp/kunitori/kikaku.html

斎藤道三は、一介の油商人から身を起して、主君・土岐頼芸を助け、守護職の土岐政頼を追い出しますが、次にはその頼芸を放逐し、美濃一国の国主に成り上がります。その容赦ない権謀術数は“蝮の道三”と恐れられます。しかし、天下盗りへの夢は、息子・斎藤義竜によって破られます。その夢を継ぐのが、娘婿・織田信長と、幼い頃から英才教育を施した明智光秀の3人です。斎藤道三という1つの根から生れた2つの分身が信長と光秀です。道三の託した天下布武の夢は、信長によって天下統一目前と言うところまで達しながら、歴史の皮肉というべきでしょうか、道三のもう1人の分身、光秀によって本能寺で絶たれてしまいます。そして、その光秀もまた、天王山で敗れて天下から落ちていきます。

 

 

戦国時代の代表的な出来事を書いていますね。でも、やはり前半の斎藤道三編が国盗り物語としての面白さがあるかな、と思います。”マムシ”と言われた陰謀家の斎藤道三。後の時代である江戸期と比べて、その考え方ややり方はぜんぜん違います。きれいごとでは済まない、時代の冷酷さがある。しかし、結局、その斎藤道三は、自分の子の斎藤義竜に殺されてしまいます。これも時代の冷酷さ。

そして、そのあとを織田信長が継ぎ、さらに豊臣秀吉徳川家康とつづきます。結局、最後は徳川氏で、江戸幕府を開くのですが、これは、やはり家康個人の能力、そして彼が率いる三河武士団の強さ(家康に忠誠を誓う)によるところが大きい。で、その三河武士団。元をただせば鎌倉時代の武士につながるようにも思えます。戦国期に世の中は大いに乱れたのですが、結局は鎌倉武士の政権となった。それは、日本という国の必然性がそうしたのかもしれない。そんなことも思いました。

 

司馬遼太郎のこと(7)(終わり)