Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

半導体のこと

経済産業省は6月4日、半導体の開発や生産体制の強化に向けた新戦略をまとめ、国際的な存在感が低下した半導体産業の再興に「国家事業」として本腰を入れる、という報道がありました。

 

www.iza.ne.jp

 

あわせて、半導体シェアについての記事も添付します。

https://xtech.nikkei.com/dm/article/COLUMN/20131225/324816/?P=7

 

日本のDRAM、「安すぎる」と非難され、やがて「高すぎて」売れなくなる ...

1980年代後半、なんと日本の半導体シェアは40%でトップでした。その後、アメリカから貿易障壁を指摘され、1986年7月、日米政府間で「日米半導体協定」が最終合意されることとなりました。これは実質的に日本のシェアを低めることだったようです。その後、アメリカの思惑どおり、日米のシェアは逆転したものの、2000年を超えるとアメリカのシェアも下がりはじめ、替わりにアジア(台湾、韓国、中国)が台頭してきました。最近では、日本のシェアは10%を切っており、今回の半導体の供給不足が産業へ与える影響の大きさに驚愕して、あわてて経済産業省は新戦略を策定したようです。

 

その新戦略の中身ですが、台湾半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)の研究開発拠点の茨城県つくば市への誘致、TSMCが日本企業20社超などの参画を得て先端半導体の製造技術の研究開発を進める計画に約190億円を拠出して支援。また、「ファウンドリー」と呼ばれる海外の受託製造企業との合弁工場の設立などを通じて国内に製造基盤を確保する方針、など。

・・・悪くない戦略かもしれません。中国ではなく、台湾とタッグを組むのは、安保戦略上も納得です。

 

ただ、日本の民間企業が動かず、外資頼みの戦略。

かつての大英帝国(イギリス)が、ボーア戦争、第一次、二次世界大戦、スエズ動乱など、国の凋落をなんとか食い止めようと、政策を次から次へ打って、ことごとく失敗したことが思い浮かんでしまいます。

 

半導体のこと(終わり)