カーボンリサイクルの続きです。
カーボンリサイクルとは、世界中で今、悪もの扱いされている二酸化炭素を資源として考えて、これを再利用しよう、ということです。
2019年6月に日本の経済産業省が「カーボンリサイクル」の技術ロードマップを策定しました。
炭素回収・利用・貯蔵(CCUS)技術の中で、回収した炭素を加工し、鉱物化や人工光合成、メタネーションによる素材や燃料として利用する技術です。カーボンリサイクル技術では、例えばメタンガスを一酸化炭素と水素の合成ガスに転換した上でエタノールやメタノールを生成し化学品や燃料として用いる技術や、コンクリートを構成するセメントや骨材に二酸化炭素を原料とした炭酸塩(CaCO3)を用いる、などがあります。また、そのほかに、バイオマスや藻類由来のジェット燃料やバイオ燃料も、含まれるようです。このロードマップでは、2030年までに、安価な水素を必要としない技術や、早期に実現が可能な技術として、ポリカーボネート等の化学品生成、バイオジェット燃料等の液体燃料、二酸化炭素を内部に固定化するコンクリート製品の開発に注力、それ以外の技術(汎用品向け)は2050年以降をターゲットとする、としています。
水素を頼りにすると、早期の実現ができないということで、自前の技術でやり切れる内容を2030年時点のターゲットとし、それ以降は、低コスト水素の供給が始まる前提で汎用製品への適用を考える、ということのようです。
2020年10月13日に、日米で覚書が交わされ、カーボンリサイクルがより強力に推進されることになりました。
その技術の進展には今後注目すべきかと思います。
カーボンリサイクル(3)(終わり)