Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

シャープ蓄冷材

家電・液晶パネルメーカー大手のシャープが、長年培ってきた液晶技術を保温・保冷用途で活用しようとしている。冷蔵庫の温度と室温の中間くらいの温度で保管が必要な野菜や果物向けに、12℃の温度を保つことのできる蓄冷材のほか、アウトドアで飲み物を保冷できるバッグなどを開発した。直近では2月から日本でも接種が始まった新型コロナワクチンの輸送に使われる輸送容器の一部に、シャープ製の蓄冷材が採用されている。シャープは自身が保有する技術を応用して他分野に展開する動きを加速させている。

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蓄冷材を開発しているのはシャープの社内ベンチャー「TEKION LAB」だ。停電が多いインドネシアの冷蔵庫に搭載する蓄冷材を2014年に販売したのを皮切りに、酒類などを氷点下2℃で冷やす保冷バッグなど、輸送向け以外の用途を拡大させてきた。

 

家電大手のシャープが電気を使わない蓄冷材を開発しているのは、
「液晶の制御技術を応用しているから」ということ。
固体と液体の中間の状態にある液晶は、気温の高い夏には液体化せず、冬は逆に固まらないことが求められる。液晶パネルメーカーとして長年にわたって研究開発を続けてきたシャープには、「(物質の)状態が変化する温度を制御する技術があった」。定温蓄冷材の主成分は水だが、さまざまな化合物を配合させて融点を氷点下24℃~28℃の範囲で調整できるようにしている。

 

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シャープは、2016年8月に台湾の鴻海精密工業傘下に入って、もはや日本企業ではないのですが、従来からある液晶技術を利用して、新事業の展開を模索しているそうです。確かに、液晶は、ある意味、材料、物質のブレンド技術で、温度による状態変化がキーですね。その意味では、この展開はうなずける。

これを社内ベンチャーでやったという、
従業員はほとんどが日本人でしょうし、それをやり続けて、商品化までやった技術者はすばらしいと思います。

 

シャープ蓄冷材(終わり)