Blog 真っ青な空

企業を定年退職したエンジニア、科学技術コンサルタントやってます。

人工光合成

トヨタグループの中には、当然ですが、研究所もあって、

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豊田中研(豊田中央研究所)が有名です。
自動車関連技術の研究開発を目的として1960年にトヨタグループ9社の共同出資を受けて設立された研究所。研究所そのものが株式会社組織となっていて、資本金が30億円、売上高が220億円(2020年03月31日時点)、従業員数は986名。

 

japan.cnet.com

 

その豊田中研が、太陽光エネルギーを与えて二酸化炭素(CO2)と水(H2O)から有用な物質を作るいわゆる「人工光合成」で、太陽光変換効率が世界最高の7.2%という装置を開発したという記事・・・

 

人工光合成は、ご存じのとおり、二酸化炭素と水と太陽からデンプンを作こと。今回は、でんぷんではなく『ギ酸』という有機化合物を作りました。ギ酸は、還元剤や防腐剤、抗菌剤など多くの用途があり、水素貯蔵の材料としての研究も進んでいるそうです。

 

実際の植物の光合成での太陽光変換効率は0.2~0.3%。2017年度の人工光合成の研究では効率が3.7%まで上昇。さらに019年には5.5%を達成。

 

そして、今回は7.2%。

 

日本の新しい技術! 
期待できるかな。

 

人工光合成(終わり)

水素エンジン

トヨタが水素エンジン車を開発するという記事・・・

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this.kiji.is

 

www.iza.ne.jp

 

トヨタ自動車は22日、脱炭素に向けた取り組みとして、水素を燃やして走るエンジン車を開発し、量産を目指す方針を明らかにした。走行時に二酸化炭素(CO2)を出さず、既存のガソリン車の部品を活用できるのが特徴。まずはモータースポーツの競技車両に水素エンジンを搭載し、技術の向上を図る・・・という話です。

 

水素エンジンですが、だいぶ前に開発して、試作車を出していたのがマツダ


世界で唯一、自動車用ロータリーエンジン(RE)を実用化し200万基以上の生産実績を出してきたマツダは、30年以上も前に水素とREの相性の良さに気付いて、1989年にH2燃料REの研究を開始し、過去に何台ものプロトタイプを製作した。すでにマツダは、余分なエネルギーを消費しないでH2を安定的に製造できる方法とH2燃料の流通手段さえ整えば、あまり時間をかけずにH2REを実用化できるだけの技術と知見を持っている。

 

で、今さらながらなのですが、トヨタも水素エンジン車を開発する、という。

それは、日本の自動車メーカーが持つ先端技術の具現化。
それをトヨタがやる、という意思表示。
日本を引っ張ってゆこう、という気概ということかもしれません。

 

水素エンジン(終わり)

 

 

リクルート

「40歳までに退職が当たり前」のリクルートこそが世界に通用する希有な日本企業である、という記事・・・

 

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president.jp

 

これからの企業は、リクルートであるべきという話です。

 

・新卒一括採用と終身雇用を廃止すべき

終身雇用は会社の新陳代謝、事業のイノベーションを阻害する一因なので廃止すべき。

 

・生き残れる企業になるためには「両利き経営」をすべき

「両利き」とは「探索(自社の既存の認知の範囲を超えて、遠くに認知を広げていこうという行為)と深化(探索を通じて試したことの中から成功しそうなものを見極めて、磨き込んでいく活動)のバランスが高い次元で取れていること」を意味しており、この二つが同時にやれる企業であるべき、という話です。

日本型企業は探索はやらずに閉じられた世界で深化することにばかりこだわって、イノベーションの機会を逸してきました。そして事業としての寿命が終わっている既存事業を引っ張って稼ぐ力を失い、リスクの大きな未来投資能力、イノベーション能力を失った結果、破壊的イノベーションの時代に入ったこの30年間、長期停滞に陥っています。その原因は同質性と連続性にあります。要はみんな同じメンバーで、社内の出世ばかりを目指すから、探索もろくにしないで、変化も嫌う。

 

新卒一括採用と終身雇用を廃止して、「両利き経営」をやってきたのがリクルート

ほとんどの社員は40歳までに辞めているそうです。40歳までに独立できない社員はダメだという風潮が社内にあって、だからリクルートからは様々な起業家が生まれている。

 

 

リクルートの設立は1980年代以前にさかのぼります。でも、そのカルチャーは、今の時代にあっている。ということでしょうか。

 

 リクルート(終わり)

ホンダの電動バイク

二輪車と言えば、ホンダ、ヤマハ

そのホンダの電動バイク

 

www.autoby.jp

原付一種電動3輪スクーター「ジャイロ e:(ジャイロ イー)」
3月25日から法人向けの販売を開始したそうです。

 

emira-t.jp

 

こちらは、ホンダが進める着脱式バッテリーの記事・・・

一部抜粋します。

ホンダの2台の商用電動バイク「BENLY e:(ベンリィ イー)」と「GYRO e:(ジャイロ イー)」。これには「ホンダ・モバイルパワーパック」と呼ばれる着脱式バッテリー2個を搭載しており、既存EV(電気自動車)のように車両にコネクターを差して充電できるだけでなく、あらかじめ充電済みのバッテリーと交換して再び走りだせるようになっている。

また、ホンダ、カワサキ、スズキ、ヤマハの国内大手4社は昨年4月、交換式バッテリーとバッテリーを交換するためのシステムなどの仕様を検討する「電動二輪車用交換式バッテリーコンソーシアム」を設立。乾電池のような規格統一に向けて動きだしている。将来、異なるメーカーの電動バイクに同じ規格のバッテリーを使えるようになれば、利便性が大幅に向上し、さらに大量生産、複数メーカーの競争によるコストダウンにも期待が持てる。

 

また、着脱式バッテリーの存在は、電動車が抱える多くの問題を一挙に解決へと導いてくれるかもしれない。しかし、それらは単に車両を作って販売すれば解決するわけではなく、交換ステーションなどインフラの整備を同時に行わなければ意味がない。ホンダは既に、2017年から東南アジアなどで電動バイクと交換サービスをセットで地域に提供する実証実験を始めており、近い将来の事業化を視野に入れている・・・引用終わり。

 

国内の日本企業が足並そろえてやろう、ということですね。

 

でも、海外に目を向けると、実は、着脱式バッテリーはすでに台湾で実証済みで、その電動スクーターはGoGoroが生産販売しています。

GoGoroは、2015年創業で、同社のスマートスクーターは台湾において最もよく売れている電動二輪車ブランドだそうです。同社はまた、交換・再充電ができるバッテリーなどの技術をヤマハやAeon、PGOなどのメーカーにライセンス供与しているそうです。

 

jp.techcrunch.com

 

そんな海外の状況を見ると、今回のホンダの動きに真新しさは感じませんね。

電動二輪車の開発にやっと本腰を入れ始めたのかな。

 

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ホンダの電動バイク(終わり)

 

 

ボッシュ

ボッシュは、
ドイツの多国籍エンジニアリング・テクノロジー企業。その中核事業は、モビリティ(自動車関係、ハードウェア・ソフトウェア)、消費財(家電製品や電動工具を含む)、インダストリアルテクノロジー(駆動・制御を含む)、エネルギー・建築テクノロジーの4つの事業分野だそうです。

 

そのボッシュが、中国に、燃料電池システムの量産に向けた合弁会社ボッシュ水素パワートレインシステムズ(重慶)」を設立したそうです。

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response.jp

・・・一部、記事引用

この合弁会社は、中国の商用車メーカーの慶鈴汽車と共同で設立され、燃料電池システムを生産・販売する。中国自動車技術者協会の予測によると、燃料電池システムを搭載した100万台以上の車両が、2030年までに中国で登録される可能性があるという。合弁会社は、すべての中国の自動車メーカーに、燃料電池システムを供給することを目指す。

燃料電池スタック、パワーエレクトロニクスを備えたエアコンプレッサー、センサーを備えたコントロールユニット、必要なコンポーネントなどは、2021年内に小規模生産を開始する。また、2021年内には、ボッシュ燃料電池パワーモジュールを搭載した70台のトラックの実証テストが開始され、燃料電池システムの市場投入は2022~2023年を計画している・・・

 

 

2030年までに100万台のFCV、でもこれは累計なので、年あたりにすれば10~20万台。燃料電池パワーモジュールの単価が、仮に30万円として、年間の売り上げが、300億~600億円。

 

そこそこのビジネスですね。

 

ボッシュ(終わり)

再雇用のはなし

改正高年齢者雇用安定法についてのはなしです。

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以前もちょっと書きました。

「社員がシニアになるまでしがみつくというマインドが強いような組織は成長ができない」・・・という話でした。

 

blue2020.hateblo.jp

 

高年齢者雇用安定法の現行と、今回施行された改正法について念のため記します。

【現行】65歳まで、義務
 65歳までの定年の引き上げ
 65歳までの継続雇用制度の導入
 定年の廃止

 

 

【新設】70歳まで、努力義務

 70歳までの定年の引き上げ
 70歳までの継続雇用制度の導入
 定年の廃止

 

雇用以外の措置(労働者の過半数を代表する者等の同意を得て導入)

・高年齢者が希望する時は、70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
・高年齢者が希望する時は、70歳まで継続的に事業主が実施する社会貢献事業や事業主が委託、出資する団体が行う社会貢献事業に従事できる制度の導入

 

改正法の趣旨は、簡単に言えば、会社は今まで65歳まで面倒を見る、ということだったのですが、これからは70歳まで面倒みてよ、ということです。企業が、高年齢者を雇用する場合、現役時の賃金の50%から70%程度が一般的なのだそうです。

 

この改正法を見て、果たして会社はどう考え、どう対応してゆくのか。

 

今まで65歳までの5年間だったのが、これからは70歳までの10年間、面倒を見なければならなくなって、そうすると、固定費が大幅に増えることになるので、おそらく賃金そのものを減らすことになりますね(再雇用と現役の両方とも)。

 

そして、再雇用者の年齢層は、60-70歳ということになるのですが、会社はこの年代の人間に期待を抱くのでしょうか? 高い専門性があれば別だと思うのですが、会社としては、なるべく経営にはタッチさせず、あたらずさわらずの距離感で接してくるように思います。

 

もっとはっきり言えば、その気持ちは、

『法律があるから、もう少し、会社に居させてやってもいい』といったところではないでしょうか。

 

そんな気持ちの会社で、高いモチベーションを維持して、働けるのか。会社員でありながら会社への貢献すら求められていない。

 

それが再雇用。

自分はまっぴらごめんですね。

 

70歳までの再雇用。
慎重に決断すべきかと思います。

 

再雇用のはなし(終わり)

 

 

 

 

電動モーターユニット

二輪車メーカーのヤマハ

ヤマハは、以前からモビリティ向け電動モーター(35~200kW)の試作開発を受託しているが、新たにハイパーEVなど高出力帯モビリティへの搭載を想定した最大出力350kWクラス(動作電圧800V)の電動モーターユニットを開発。開発品はギア、インバーターを一体化したコンパクトな機電一体型の電動モーターユニットで、車両へ複数ユニット搭載する用途を想定している。

試作開発受託にあたっては、二輪車をはじめ幅広い製品群に柔軟に対応してきた鋳造・加工・組立を中心とした生産技術、試作設備等を活用し、顧客要望に沿った試作モーター開発を短期間で実現する。

 

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response.jp

 

最大出力は300kWということで、馬力(PS)換算すると約408PSとなり、4つのモーターによる4輪駆動の場合、1600PSオーバーといったとてつもない高性能EVを実現できることになる、という。

 

当面、EVはLiBの容量の制約もあるので、小型が主流、という話(トヨタが言っている話)と真逆の方向性ですね。ヤマハは、大型EV向けの機電一体型モーターの開発を受注する、と言っているわけです。モーターの生産を受注する、と言っているわけではなく、技術開発を受注、ということなので、幅広い技術の培養が狙い、ということでしょうか。

 

電動モーターユニット(終わり)